OpenAIでファインチューニングを行い、カスタムモデルを作成する方法を以下に説明します。このプロセスは、特定のデータに基づいてOpenAIのGPTモデル(例えば、GPT-3やGPT-4)を微調整する手順です。
1. OpenAI APIにアクセスする準備
まず、ファインチューニングを行うには、OpenAIのAPIにアクセスするためにいくつかの準備が必要です。
a. OpenAIのAPIキーを取得する
- OpenAIの公式サイトにサインインし、APIページにアクセスして、APIキーを取得します。
- サインイン後、ダッシュボードでAPIキーを確認・コピーすることができます。
b. Python環境の準備
ファインチューニングはAPIを通じて行います。Pythonを使ってファインチューニングを行うのが一般的です。まずは、Python環境を準備します。
bashコードをコピーするpip install openai
2. ファインチューニング用のデータセットの準備
ファインチューニングには、特定のタスクに関するデータが必要です。データはJSONL(JSON Lines)形式で準備します。この形式では、各行が1つのJSONオブジェクトとして、プロンプトとレスポンスをペアで提供します。
例:データセット(fine_tune_data.jsonl
)
jsonコードをコピーする{"prompt": "ユーザーが入力した質問: 物件情報は?", "completion": "物件に関する情報を提供いたします。"}
{"prompt": "ユーザーが入力した質問: 家の価格は?", "completion": "価格についてお答えします。"}
prompt
: ユーザーの入力に対応するプロンプト(質問など)completion
: 期待するモデルの応答
データセットは十分な量を準備することが重要です。モデルが学習する内容に多様性があれば、より良い結果が得られます。
3. ファインチューニング用データセットのアップロード
次に、データセットをOpenAIにアップロードします。以下のPythonコードを使用して、アップロードを行います。
import openai
openai.api_key = 'your-api-key'
# ファインチューニング用データをアップロード
openai.File.create(
file=open("fine_tune_data.jsonl"),
purpose='fine-tune'
)
これでデータセットがアップロードされます。
4. ファインチューニングの開始
アップロードしたデータセットを使って、ファインチューニングを開始します。以下のPythonコードでファインチューニングを実行します。
pythonコードをコピーするopenai.FineTune.create(
training_file="file-XXXXXXXXXXXXXX", # 先程アップロードしたファイルのID
model="curie", # 使用する基盤モデル(例: "davinci", "curie", "babbage", "ada")
)
training_file
の値には、アップロードしたファイルのIDを指定します。このIDはアップロード時に取得できます。
5. ファインチューニングの進行状況を確認する
ファインチューニングが始まると、進行状況を確認できます。以下のPythonコードを使って確認できます。
pythonコードをコピーするopenai.FineTune.list()
これにより、現在進行中のファインチューニングジョブのリストが表示されます。
6. ファインチューニング後のカスタムモデルの使用
ファインチューニングが完了したら、カスタムモデルを使って推論を行います。ファインチューニング後のモデルIDを使用して、通常通りAPIを呼び出すことができます。
pythonコードをコピーするresponse = openai.Completion.create(
model="ft-XXXXXXXXXXXXXX", # ファインチューニング後のモデルID
prompt="物件情報を教えて",
max_tokens=50
)
print(response.choices[0].text)
model
には、ファインチューニング後に生成されたカスタムモデルのIDを指定します。
7. ファインチューニングの停止や削除
もしファインチューニングの結果が期待通りでない場合、ファインチューニングを停止したり、削除したりすることができます。
停止:
pythonコードをコピーするopenai.FineTune.cancel("ft-XXXXXXXXXXXXXX")
削除:
pythonコードをコピーするopenai.FineTune.delete("ft-XXXXXXXXXXXXXX")
注意点
コスト: ファインチューニングにはコストがかかります。事前に料金体系を確認し、予算に合わせて行うようにしましょう。
データの質: ファインチューニングは提供するデータに依存します。正確で多様なデータを使うことが、良いモデルを作成するために重要です。